【3月23日 東方新報】最近、中国の多くの大学で「恋愛科」が開設されている。内容は心理学のほか恋愛技巧、恋愛経済学、婚姻と家庭などにわたる。

 華東師範大学(East China Normal University)では2013年から、「愛情」をカリキュラムに入れている。「婚姻と愛情」と銘打った選択科目を開設したところ、84人の枠に対し、約500人が申し込んだ。

 鄭州師範学院(Zhengzhou Normal University)は2015年9月に「愛情心理学」の選択科目を開設、開設当日に希望者が殺到して満員となった。西南政法大学(Southwest University of Political Science and Law)の恋愛選択科目では、教師が初対面での声の掛け方、告白の仕方やラブレターの書き方などを教えるとしている。

 北京師範大学(Beijing Normal University)学生心理コンサルティングサービスセンターの夏翠翠(Xia Cuicui)副教授は、「恋愛科は、実際は心理学的手法を使い自己理解を深め、自身の成長過程と正しい婚姻恋愛観を整理することで恋愛が適切に行われ、将来の婚姻と家庭生活の準備を行うことだ」と話す。「心理学の教え方は、伝統的科目とは異なる。教師はただ直接、講義をするのではなく、学生との相互交流の中で学生を結論に導き、正しい観念と理念を伝授するものだ。特に、恋愛課程には既存の教材やカリキュラムが無いので、どのように理論と現実を結び付けるかが教師にとっての大きな課題だ」と語っている。 保護者や学校が一方的に禁止した場合、子どもの恋愛は一時的には阻止できるかもしれないが、将来に恋愛をすべき時が来ても、心理的なバリアーがもとでうまくいかないかもしれない。「恋ができる時にさせないで、大学を卒業して、いい人がみな誰かにとられてしまってから結婚を迫るなんて、いまさら何よ」と、適齢期を過ぎた子どもから親が責められることになる。

 一方、「恋をすることは人生経験で、教えられるものではない。人生にはいい時も悪い時もあり、得る時も失う時もある。どちらも正常な状態だ。神経質にならずに手を放し、子どもの成長を見守ってあげればよい。教えなければいけない科目は「性行為の健康と安全」についてで、科学と人倫の視点から、方向を見失った子どもらを助けてあげることが必要だ」と語る保護者もいる。(c)東方新報/AFPBB News