【2月1日 AFP】フランスの裁判所は1月31日、パリ警視庁の本部庁舎内で観光客のカナダ人女性をレイプした罪に問われていた警察官2人に対し、禁錮7年を言い渡した。

 ニコラ・ルドゥアヌ(Nicolas Redouane)被告(49)とアントワーヌ・キラン(Antoine Quirin)被告(40)はエミリー・スパントン(Emily Spanton)さん(39)との性行為は同意に基づくものであり、レイプではなかったと罪を否認していた。

 しかし裁判所は、スパントンさんがレイプされたという「揺るぎない証言」に加え、「科学的および技術的」な証拠があると指摘。両被告には禁錮刑に加え、2万ユーロ(約250万円)の損害賠償の支払いも命じられた。

 スパントンさんは2014年4月、パリ警視庁の本部庁舎近くのバーで組織犯罪を専門とする精鋭部隊に所属する両被告と知り合い、「36番地」の名で知られる同庁舎の訪問に同意。有名な建物を見られることを喜び、「中は明るくたくさんの人がいるだろう」と予想したという。しかし、深夜に訪れた両被告らの居室は無人だった。

 建物を出る際に勤務中の警官に対して性的暴行を受けたと訴えたが、酒に酔っているとみなされ、帰るよう促されたという。目撃証言によると、建物に入る際には明るい表情だったスパントンさんが、去る時には取り乱していたとされる。

 スパントンさんはレイプ犯は3人いた可能性があると主張。鑑定により、確かに3人のDNAが見つかったものの、身元が特定されたのは2人だけだった。

  裁判では、事件後現場の封鎖は行われず、被告らは飲酒検査も受けずに帰宅を許されていたなど、捜査の不備が明らかになった。(c)AFP/Caroline TAIX