【1月28日 AFP】第17回アジアカップ(2019 AFC Asian Cup)に出場している日本代表は、称賛こそされていないものの堅実な戦術で勝利を積み重ねているが、森保一(Hajime Moriyasu)監督は27日、攻撃的なイランとの準決勝でも自分たちの戦い方にこだわると述べた。

 支配率23パーセントながらサウジアラビアを下すなど、1点差勝利が続いている日本の勝ち上がりは、ギリシャが同様の勝ち方で驚きの優勝を果たした2004年の欧州選手権(UEFA Euro)の記憶を呼び起こしている。

 しかし、W杯ロシア大会(2018 World Cup)終了後の昨年7月に就任した森保監督は弁明することなく、若いチームはここまで結果を出し、まだ学んでいる段階だと述べた。

 森保監督はイランとの対戦を翌日に控え、「大会に臨むにあたり、われわれはすべての試合が難しいものになると思っていた」とコメントした。

「われわれはまだまだ完成されたチームではなく、未完成で、成長しながら結果を出していこうとしている」

 日本は今大会のグループステージで、トルクメニスタンとウズベキスタンに3-2、2-1でそれぞれ逆転勝利しており、オマーン戦は原口元気(Genki Haraguchi)のPKにより1-0で白星をつかんだ。

 決勝トーナメント1回戦のサウジアラビア戦では、主導権を握られながらもCKからのヘディングが決勝ゴールとなり、準々決勝ではビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)システムによって得たPKを堂安律(Ritsu Doan)が決め、ベトナムを1-0で下した。

 森保監督は「選手たちは1試合1試合、結果を出しながらいろんなことを学び、チームとしてステップアップできている」とコメントした。

「どんな内容であっても勝利するということで、選手たちは勝ちにこだわってやってくれている。やろうとしていることにトライしてくれている。あすもこれまでと同様、アグレッシブにプレーしてほしい。良い結果を期待している」

 日本がおとなしく準決勝進出を決めたのに対し、43年ぶりの優勝を目指すイランはフィジカル面を生かした容赦のない戦い方で12得点をマークするなど、好調ぶりを示している。

 森保監督は現役時代、日本代表の一員として1992年大会でイランとの対戦経験がある。日本は当時アジアで強豪国ではなかったが、グループステージでは強豪のイランを1-0で下し、結果的に初優勝を飾った。

 日本はこれまでアジアカップで4度のタイトルを獲得しており、優勝回数でイランやサウジアラビアを上回った現在は期待が高まっているが、森保監督は日本には確かな特性が残っていると述べた。

「このチームの本質は、選手たちが組織的にプレーし、互いに協力し合うことだと思う。そしてそれは何年にもわたり同じだ」

「チームが持つモチベーションも同じだ。しかし今は勝つことが当たり前になっており、選手たちは大きなプレッシャーの中でプレーしなければならない。違いはそこだ」 (c)AFP/Talek HARRIS