【1月19日 AFP】タイ南部ナラティワット(Narathiwat)県の仏教寺院が銃撃され、僧侶2人が死亡、2人が負傷した。警察が19日に明らかにした。同国ではここ一週間、死者を伴う暴力事件が相次いでおり、プラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相は関与者を「罰する」と明言した。

 AFPの取材に応じた地元の警察署長によれば、18日午後7時30分(日本時間同午後9時30分)頃、マレーシア国境に近い同県の寺院にライフル銃を持った黒装束の男らが侵入し、発砲。2人の僧侶が射殺され、さらに2人が負傷したという。

 同国深南部の3県では、仏教の僧侶らに対して19日から朝の托鉢(たくはつ)を中止するよう通達が行われ、同地域の軍司令官は治安部隊に対し、同じく危険にさらされる可能性があるイスラム教の指導者らの警備を強化するよう指示していた。

 イスラム教徒が多数派を占めるナラティワット県を含めた3県は1世紀前に仏教国タイに併合された。だが2004年以降、マレー系イスラム教徒の武装勢力との間で繰り広げられている衝突により、7000人近い死者が出ており、その大半をイスラム教徒・仏教徒の双方を含めた民間人が占めている。(c)AFP