■コート外でも注目の的に

 大坂は全米オープンの後、東レ・パンパシフィック・オープン(Toray Pan Pacific Open 2018)では1セットも落とさずに決勝まで進出し、その奥ゆかしい振る舞いの下に隠された鋼の意志を見せつけた。

 さらに、テニス界でスター選手となったことでコート外でも注目を集め、米トーク番組「エレン・デジェネレス・ショー(The Ellen DeGeneres Show)」では、大ファンであるハリウッドスターのマイケル・B・ジョーダン(Michael B. Jordan)とオンラインで楽しい会話を交わす一幕もあった。

 オーストラリア入りをして以降、大坂はリラックスして陽気なムードを見せており、コアラと一緒に写真撮影をしたり、記者会見では報道陣にジョークを飛ばしたりしている。世界68位として無名の存在だった昨年大会とはまるで別人のようであり、あっという間の大躍進にも平常心を保っていると話している。

 大坂は先日、ブリスベン国際(Brisbane International)を前に「パフォーマンスをする上で重圧を感じたことはない。グランドスラムでは一番楽しんでいる」「ある程度のプレッシャーは常にあるけれど、それは自分自身の中からくるもの」と話していた。

 2011年に全米オープンを制しているサマンサ・ストーサー(Samantha Stosur、オーストラリア)は、大坂が注目を浴びることにうまく対処していると称賛し、これからも勝利を積み重ねると予測。「全米オープンで優勝した後、東京で決勝まで進出したナオミの戦いぶりには、本当に感銘を受けている」と話した。

「私が優勝したときは、喜びに浸って2週間はほとんどボールを打たず、そのまま東京へ行って負けてしまったのを覚えている。とにかく準備不足で、有頂天の状態から抜け出せずにいた」「自分への期待がどんどん大きくなって、それに対処することは簡単ではなかった。だけど、ナオミが東京で自信をつけることができたなら、今年の夏も彼女にとって良い結果が出るはず」 (c)AFP/Neil SANDS