【12月28日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)決勝トーナメント1回戦でフランスがアルゼンチンに4-3で勝利した後、キリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)がリオネル・メッシ(Lionel Messi)を慰める姿をとらえた写真は、後世に語り継がれる2018年の一枚になるだろう。

 今年はおおかたエムバペの年となった。まだ当時19歳だったエムバペは、この試合で10代選手としては1958年大会のペレ(Pele)氏以来となる2得点をマークすると、ルカ・モドリッチ(Luka Modric)を擁するクロアチアとの決勝でもゴールを記録。W杯決勝でネットを揺らしたペレ氏以来史上2人目となる10代の得点者になるなど、世界の舞台で躍動した。

 決勝は、フランスがクロアチアを4-2で破り、2度目の栄冠に輝いた。今大会は、1966年イングランド大会以来となる大量得点が生まれた決勝をはじめ、大会を通して強く印象に残る試合が多く、見ていて楽しいW杯となった。

 クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)がハットトリックを決め、ポルトガルが3-3でスペインと引き分けたグループステージの一戦から、ベルギーがブラジルに2-1で勝利した準々決勝、そしてクロアチアが延長戦の末にイングランドを下した準決勝まで、記憶に残る試合がちりばめられていた。

 しかし、クロアチアを率いるズラトコ・ダリッチ(Zlatko Dalic)監督が「今回は最も奇妙なW杯の一つかもしれない」と語ったように、他にもいろいろなことがあった。

 クロアチアの予想外の決勝進出をはじめ、ドイツやスペイン、アルゼンチンの早期敗退は、代表チームの大会はいまだに予測不能な展開になり得ることを証明した。

 そして今回はおそらく、W杯を掲げるというメッシとロナウドの夢がついえた大会としても記憶されるだろう。両者は決勝トーナメント開幕日に敗退が決まり、2018年はメッシとロナウドの時代が終わりを迎えた年として記憶されるかもしれない。