【12月27日 AFP】カイロプラクターのジョー・アカーソ(Joe Accurso)さん(47)は、娘にポリオ、麻疹(はしか)、百日ぜきの予防接種を受けさせないことにした。病気になっても危険ではなく、娘にとってはむしろ良いことかもしれないと考えたからだという。(※この記事は、2018年2月6日に配信されました)

 アカーソさんはAFPに語った。「娘が水痘(水ぼうそう)になる機会がなくて実際、がっかりしています。病気になれば、この先、体が丈夫になりますから。これが大きな理由です」

 アカーソさんと理学療法士の妻キャシー(Cathy)さんは単なる「ワクチン反対派」ではない。自らを「ワクチンの選択の自由」を信じる積極的少数派と見なしている。

 こうした親の多くは白人、上流中産階級の高学歴者で、かつて世界中で年間何百万人もの子どもの命を奪っていた病気の予防接種を自分の子どもに受けさせない選択をしている。これらの病気はワクチンよりはましだと主張し、ワクチンの危険性が製薬産業の営利の名の下で世間に公表されていないと信じている。こうした信念は、今や先進国で多数の人々の間に広がっている。

 親たちが振り回されているものには、医療関係の内部告発者を名乗る人々の情報もある。こうした人々が唱えているのは、ワクチンの効力を示すデータは歪曲(わいきょく)されており、ワクチンによる健康被害は増加している、ワクチンには怪しげな成分が密かに含まれている、という説だ。

 米疾病対策センター(CDC)によると、米国では特定の地域で集団発生する麻疹は2000年に根絶し、全国的にみると、近年、予防接種を受けていない幼稚園児は約2%のみとなっている。

 だが危険なのは、大人数の集団が予防接種を受けず、その地域の「集団免疫」が失われる場合だ。

 例えばミネソタ州のソマリア系米国人のコミュニティーでは、麻疹、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、風疹の新3種混合(MMR)ワクチンの予防接種を受けた子どもの割合が、2004年の92%から2014年には42%へと急減した。