【11月20日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)のチームバスが昨年4月に爆弾で襲撃された事件で、同国検察は19日、セルゲイ・W(Sergej W)被告に終身刑を求刑した。

 カルステン・ドンベルト(Carsten Dombert)主任検事は、被告がホテルを出発したドルトムントのチームバスを3つの手製爆弾で襲撃し、約30件の殺人未遂の罪を犯したと述べた。同被告は、爆発物を起爆させて2人に重傷を負わせた罪にも問われており、来週に判決が下される見通しとなっている。

 ロシア系ドイツ人のセルゲイ・W被告は爆弾を仕掛けたことは認めているが、殺人の意図はなかったと主張している。それぞれの爆発物には、1キログラム以下の過酸化水素の化合物や多数の鉄のねじが含まれていた。

 一方で検察側は、被告が可能な限り多くの人を殺し、プットオプションを買った後にドルトムントの株価を下落させることで、利益を得ようともくろんでいたと主張している。

 また、セルゲイ・W被告はイスラム教や極左・極右の過激派とのつながりをほのめかす文書を現場に残していた。しかし警察は、電気工だった被告が欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)のASモナコ(AS Monaco)戦を翌日に控えたドルトムントの選手と同じホテルに宿泊していたのを突き止め、最終的な結論を導き出した。

 茂みに隠されていた爆発物は置かれた場所が悪く、最終的な被害者は、腕を骨折したスペイン代表DFマルク・バルトラ(Marc Bartra)と耳の内部を負傷した警察官1人となった。ドルトムントに所属していたバルトラを含む複数の選手は、攻撃を受けた際に被った精神的ダメージについて裁判で証言している。(c)AFP