【1月30日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)からイングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)移籍が濃厚とされているガボン代表のピエール・エメリク・オーバメヤン(Pierre-Emerick Aubameyang)が29日、昨年チームバスを爆弾で襲撃したセルゲイ・W(Sergej W)被告の裁判に体調不良を理由に出廷せず、当局から批判を受けた。

 独スポーツ通信社SIDによると、検察側はオーバメヤンが弁護士を通じて提出した診断書について「完全に説得力に欠ける。司法はこれを受け入れるべきではない」と主張し、これには裁判長も「まったく同意見だ」と述べたと伝えられた。大衆紙ビルト(Bild)は、同選手には裁判所から罰金1万ユーロ(約135万円)が科される可能性があるとされている。

 これに先立ち、事件で手首を骨折したスペイン代表のマルク・バルトラ(Marc Bartra)が出廷し、ドルトムントのバスが爆弾攻撃を受けたとき死の恐怖に襲われ、「人生が変わった」と証言。同選手は事件のトラウマで悪夢にうなされ、病院で5日間も「恐ろしい」日々を過ごしたという。バルトラは公判で声明文を読み上げ、「今でも襲撃事件から立ち直れずに苦しみ続けている。死の恐怖に襲われ、家族に二度と会えなくなると思った」と述べた。

 昨年4月11日に起きた事件で、被告は株でもうけるために3つの爆弾を遠隔操作で起爆させたことを認めている。検察官によると、破片爆弾にはいずれも過酸化水素の化合物が1キログラム、たばこサイズの鉄のねじが65本ほど含まれており、そのうちの一つがバルトラの座席頭部に当たったとされている。

 起訴状ではまた、被告はこの襲撃によってプットオプションと呼ばれる取引ができるドルトムントの株価を急激に下落させ、利益を得ようともくろんでいたとされている。