【11月7日 AFP】米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は6日、ニューヨークで8日に予定されていた北朝鮮の金英哲(Kim Yong Chol)朝鮮労働党副委員長との会談を突然延期した。

 米国務省は前日の5日に両者の会談を行うと発表したばかりだった。朝鮮半島の非核化への進展、また2度目となる米朝首脳会談の調整などが議題になるとみられていた。

 だが、国務省のヘザー・ナウアート(Heather Nauert)報道官は、日程の再調整をしていると発表。延期についての詳しい理由は明らかにされていない。

 韓国の首都ソウルにある北韓大学院大学(University of North Korean Studies)の梁茂進(ヤン・ムジン、Yang Moo-Jin)教授はAFPの取材に対し「直前になっての延期の発表は、いったん計画した会談を実施するだけの十分な交渉ができていないことを示唆するもので、良くない兆候だ」と述べている。

 一方で韓国外務省は、延期は「残念」だが「過剰に悲観的な解釈は必要ない」との見解を示している。同省高官は報道陣に「過去にも米朝間の会談が延期された例は複数ある。希望と懸念の間で揺れ動く必要はない」と述べた。

 金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長の右腕と目される金英哲氏は、北朝鮮情報当局の元トップ。やはりポンペオ長官との会談を目的とした今年5月のニューヨーク訪問は、およそ20年ぶりの北朝鮮高官による訪米となった。(c)AFP/Shaun TANDON