■CDU後任党首の行方

 その一方で、12月に行われるCDUの党首選で後任にメルケル派が選出されるのか、それとも強硬な反メルケル派が選ばれるのかは不明で、先行きは不透明だと強調するアナリストらもいる。

 欧州シンクタンク「ロベール・シューマン基金(Robert Schuman Foundation)」のジャン・ドミニク・ジュリアーニ(Jean-Dominique Giuliani)所長は、新CDU党首にはアンネグレート・クランプカレンバウアー(Annegret Kramp-Karrenbauer)幹事長が望ましいと語る。「彼女ならば、EUの復興にむしろいいだろう。フランスと緊密で、強い欧州精神を持っている。メルケル氏よりも積極的に動いてくれるだろう」「だが、それ以外ならば終わりだ」

 こうした不透明な状況はまた、悪いタイミングで起きている。

 あるEU加盟国高官は「欧州は深刻な内部危機を抱えている」とAFPに語った。「欧州にはリーダーシップが欠如している。ほとんどのリーダーが窮地に立たされている」

 ラポルト氏も「フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は新たな弾みを与えようと試みているものの、大した支持を得られていない」と指摘した。(c)AFP/Christian SPILLMANN