【10月15日 AFP】ドイツ南部バイエルン(Bavaria)州で14日、州議会選挙が行われ、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相率いる保守与党の一角を成すキリスト教社会同盟(CSU)が歴史的敗北を喫し、メルケル氏の脆弱(ぜいじゃく)な3党連立政権に新たな打撃を与えた。

 アルプス(Alps)に面する豊かなバイエルン州で、1960年代以降ほぼずっと単独政権を維持してきたCSUの得票率は、4年前と比べ10ポイント低い37%にとどまった。

 結果、同党は絶対過半数を失い、連立協議を余儀なくされる。その相手は、11%を獲得した保守の「自由有権者同盟(Free Voters)」になるとみられている。

 メルケル国政与党の連立相手で、150年超の歴史を持つ社会民主党(SPD)の得票率は9.6%と半減し、同州第二党の地位を緑の党に明け渡した。

 13年間首相を務めてきたメルケル氏は半年余り前に、自身のキリスト教民主同盟(CDU)と姉妹政党のCSU、そしてやむを得ず加わった形のSPDとのもろい「大連立」を発足させたばかりで、バイエルン州議会選での敗北は、新たな頭痛の種となった。

 CDUのアンネグレート・クランプカレンバウアー(Annegret Kramp-Karrenbauer)幹事長は、バイエルン州での「惨敗」は最近の連立不和をめぐる有権者の失望を反映するものだと認めた。

 今回のバイエルン州議会選の結果は、国全体のムードを如実に示すものともなった。世論調査によると、保守のCDU・CSUに対する支持率は全国的に見て史上最低の26%に落ち込んだ。

 17%で同率2位となったのがSPDと緑の党で、それに続くのが反移民を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の15%となっている。(c)AFP/Ralf ISERMANN with Frank ZELLER in Berlin