【10月25日 AFP】強力なハリケーン「ウィラ(Willa)」は23日夜、メキシコの太平洋沿岸に上陸した。現地の住民らは翌24日、ハリケーンにより損壊した建物のがれきなどの片付けに追われたが、被害の拡大を逃れたことに胸をなで下ろした。

 ウィラの勢力は22日時点で、5段階で最強の「カテゴリー5」だったが、その後「カテゴリー3」へと弱まり、23日夜にメキシコの太平洋沿岸に上陸。現在では熱帯低気圧となっている。

 上陸地点となった人口3万人のシナロア(Sinaloa)州エスクイナパ(Escuinapa)では住宅や病院、教会の屋根がはぎ取られ、樹木が倒れたほか、道路はがれきと浸水で分断され、電気や水の供給も停止する被害が出ており、住民らは復旧作業に取り掛かっている。

 同州のキリノ・オルダス(Quirino Ordaz)知事は、「物的被害は甚大だったが、最も重要なことは人命が失われなかったことだ」と語った。ある住民は、ウィラの通過について「悪魔のような音がした」が、最悪の状態は3時間後に終わったと語った。

 ウィラが最初に通過したマリアス(Marias)諸島では受刑者約1000人を収容する連邦刑務所があるが、施設が被害を受けたとの情報はない。(c)AFP/Yussel GONZALEZ