【10月24日 AFP】米当局は23日、先月メキシコから米国に家族で不法入国した人の数が「危機的」水準に達したと発表した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、中米からの移民流入を抑制する政策を推進しているが、流れは止まっていない。

 2018会計年度(2017年10月〜2018年9月)に米南部国境で逮捕された不法移民の数は、先月の急増を受けて52万人を超え、前年比で25%増加した。

 米税関国境警備局(CBP)によると、9月に家族で米国に到着し、同局に逮捕された移民は1万6658人に上り、前月比で約900人、前年同月比で1万2000人近くそれぞれ増加。これは単月として過去最高の人数で、ホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドルからの移民が急増したことを反映したもの。3か国からの移民は母国でまん延する暴力と貧困を逃れた人たちで、多くが米国での保護を求めている。

 ホンジュラスなどからの移民約7000人からなる集団、通称「キャラバン」が米国南部の国境を目指してメキシコを抜けようとする中、トランプ大統領は同集団を国家の危機と位置付け、国境を閉鎖して不法入国を完全に阻止すると警告している。

 同大統領の側近らは、中米からの入国者の送還を妨げ、逮捕した移民を米国内で釈放するよう政府に義務付ける現行法を議会が改正していないことを非難している(c)AFP/Paul HANDLEY