【10月8日 AFP】バルト3国のラトビアで6日に行われた議会総選挙は、親ロシア派政党「調和(Harmony)」がポピュリズム(大衆迎合主義)勢力の躍進を抑え、第1党となった。ただ、小政党が乱立する中、連立交渉は難航する見通しだ。

 7日に発表された選挙の最終結果によると、人口190万人の約4分の1を占めるロシア系住民が支持基盤の「調和」は得票率19.8%で勝利した。2位と3位には、いずれもポピュリズム政党の「KPV LV」(14.25%)と「新保守党(New Conservative Party)」(13.6%)が躍進した。

 マーリス・クチンスキス(Maris Kucinskis)首相の中道右派与党「緑と農民連合(Greens and Farmers Union)」は、得票率9.9%にとどまった。現連立与党3党はいずれも低迷した。

 首都リガ(Riga)の市長を務める調和のニルス・ウサコフス(Nils Ushakovs)議長は、「『調和』抜きには安定した連立政権の樹立は不可能だ」とラトビア通信(LETA)に語った。

「調和」はかつて、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の与党「統一ロシア(United Russia)」と同盟関係にあった。過去3回の総選挙でも第1党となったが、連立交渉の段階で他党に拒まれ、政権入りしたことはない。

 ただ、今回は選挙前に「KPV LV」が「調和」との連立もあり得ると示唆していた。一方、「新保守党」のヤーニス・ボルダーンス(Janis Bordans)党首は「調和」とのいかなる協力関係もありえないとして、「選挙前でも後でも、われわれが越えてはならない一線」だと述べている。

「調和」と「KPV LV」のみでは定数100議席中39議席にしか届かず、政治アナリストらは連立交渉の難航と長期化を予測している。(c)AFP/Imants Liepinsh, with Jan Flemr in Prague