【10月6日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が指名した保守派の最高裁判事候補、ブレット・カバノー(Brett Kavanaugh)氏(53)が10代の頃に性的暴行を働いた疑惑が持ち上がっている問題で、米上院は5日、同氏を最高裁判事とする人事案の本採決に進む動議を僅差で可決した。動議可決後には、同人事案への賛否が注目されていた議員らが本採決で賛成する意向を相次いで表明し、承認はほぼ確実な情勢となった。

 上院は最終的な採決に進むため必要な討議打ち切りの動議を賛成51、反対49で可決。6日に本採決が行われる見通しとなった。

 動議の採決では共和党のリサ・マカウスキ(Lisa Murkowski)議員が造反し、本採決に進むことに反対票を投じる一方、民主党のジョー・マンチン(Joe Manchin)議員が賛成に投票。マカウスキ、マンチン両氏以外の議員は所属政党の方針に沿って票を投じた。

 人事案をめぐっては、トランプ氏に批判的な共和党のジェフ・フレーク(Jeff Flake)議員(アリゾナ州選出)の動向が注目されていた。再選を目指していない同議員は5日の採決で賛成票を投じた後、米NBCの記者に対し、「大きな変化がなければ」本採決でもカバノー氏の指名承認に賛成票を投じると述べた。

 共和党のスーザン・コリンズ(Susan Collins)議員は当初、本採決での賛否を決めかねている様子だったが、その後カバノー氏の疑惑は証明されなかったとの考えを示し、賛成する意向を表明。マンチン氏も本採決で賛成票を投じる考えを示した。

 動議の可決は保守派の政治的勝利に向けた重要な一歩で、トランプ大統領はこれを称賛。ツイッター(Twitter)に「上院が『イエス』に投票し、ブレット・カバノー判事の指名に前進したことを大変誇りに思う!」と投稿した。(c)AFP