【9月7日 AFP】米国を象徴する企業であるジーンズ大手リーバイ・ストラウス(Levi Strauss)が、相次ぐ米国内の銃乱射事件を受けて勢いを増す銃規制推進の動きに加わり、「常識的な」法律の制定を求めた。

 リーバイ・ストラウスのチップ・バーグ(Chip Bergh)社長兼最高経営責任者(CEO)は、米国の自由と西部の偉大な象徴の一つであることが同社の財産だと述べた上で、銃を購入する際に購入者の犯罪歴調査を義務付ける措置への支持を表明した。

 さらに、毎日96人の米国人が殺害されているという統計に触れ、銃暴力に取り組む非営利団体(NPO)に総額100万ドル(約1億1000万円)を寄付することも表明した。

 バーグ氏は4日付の経済誌「フォーチュン(Fortune)」に寄せたコラムの中で、「わが社も全ての問題を引き受けることはできない」、「しかし、われわれが生活し、働いている社会構造そのものを脅かす問題となれば、大衆にも政界にも影響力を持つ経済界のリーダーとして、黙って見てはいられない」と語った。

 重ねてバーグ氏は「態度を明確にすることを快く思わない人もいるかもしれないが、何もしないという選択肢はもはや存在しない」と訴えた。

 リーバイ・ストラウスは、従業員による銃規制推進団体への寄付額を倍増させるとともに、従業員がこうした団体を支援しやすいように社内ボランティアに関する規定を変更する方針も示した。

 米国ではこのところ、移民政策や人種的少数派に対する警察の偏見といった激論を呼ぶ政治問題に、知名度の高い企業が加わる例が増加している。(c)AFP