【9月3日 東方新報】中央のモニタービジョンに「VICTORY」と表示された瞬間、eスポーツの中国代表は選手や監督がこぞって立ち上がり、抱き合って歓喜した。26日に行われた、第18回アジア競技大会(18th Asian GamesAsiad)に公開競技として採用されたeスポーツ決勝戦で、中国代表は台湾代表を2-0で破り、初の金メダルを獲得した。

「今回のアジア大会は、eスポーツを示す最良の機会になった」。主将を務めた「老帥(Laoshuai)」は、チームに参加した理由の一つに、eスポーツの素晴らしさを伝え、広めたいという気持ちがあったという。

「eスポーツがアジア大会に種目として採用されたことは、社会に対してeスポーツは学業の妨げになるお遊び的なものでなく、若者たちの大好きなゲームが正式な職業になることを示したんだ」「eスポーツと伝統的なスポーツ精神は互いに通じるものがある。なぜなら、共に『競技スポーツの精神』があるからだ」。金メダルを手にした他の選手らも、口々に語った。

■不足する競技用の新ゲーム 業界はやや停滞

「eスポーツ市場は、すでに急速な発展期を経て、現在は緩やかになってきている」と業界アナリストの郭凌(Guoling)氏は言う。

 中国音数協遊戯工委(GPC)などが2017年末に発表した「中国遊戯産業報告」によると、同年の中国ゲーム市場の売上高は前年比23%増の2036億元(約3兆3074億円)。ゲームユーザー数も前年比3.1%増となり、5億8300万人に達している。

 しかし、その半年後にGPCが発表した18年1~6月期の報告では、売上高は前年同期比5.2%増の1050億元(約1兆7000億円)、うちモバイルゲーム市場の売上げは631億元(約1兆円)、前年比12.9%の伸びで、ゲーム市場全体の60.4%を占めた。