【9月3日 AFP】世界最大の豚肉生産国の中国で、8月に発生が初確認されたアフリカ豚コレラ(ASF)の感染が国内5省に拡大し、これまでに3万8000頭以上のブタが殺処分されたことが分かった。国営新華社(Xinhua)通信が2日、中国農業部(省)の統計を引用して報じた。

 中国政府は8月、北東部・遼寧(Liaoning)省で初のアフリカ豚コレラの感染が確認されたと発表した。以来、ウイルスは南部に広がり、1000キロ離れた地域でも感染が報告されている。

 全国の養豚場に感染が拡大する懸念が指摘される中、新華社通信は「(感染の広がりは)おおむね制御されている」との農業部報道官の談話を伝えている。

 一方、国連食糧農業機関(FAO)は先週、アフリカ豚コレラが他のアジア地域にも拡大する恐れがあると警鐘を鳴らした。

 アフリカ豚コレラは人には感染しないが、家畜のブタや野生のイノシシに感染すると出血熱を引き起こし、数日で死に至る伝染病。解毒剤やワクチンはなく、拡大を防ぐ手立ては感染した家畜の殺処分しかない。(c)AFP