【9月1日 AFP】米海洋大気局(NOAA)は8月31日、過去2か月に数十頭のイルカの死骸がフロリダ州の海岸に打ち上げられ、米北東部では数百頭のアザラシが病気で死んだと明らかにした。

 フロリダ州南西部で浅瀬に迷い込むイルカは通常1か月に3~4頭ほどだが、7月1日から8月30日の期間に計48頭の死んだイルカが見つかったという。NOAAは同州の南西部ネープルズ(Naples)から西部タンパ(Tampa)にかけて発生した有害な藻類による赤潮が原因で魚が大量死したことも明らかにした。

 バンドウイルカ10頭の死骸を解剖した結果、赤潮を引き起こし強力な神経毒を出す単細胞微生物「カレニア・ブレビス(Karenia brevis)」が10頭すべてで見つかった。NOAAの保護資源室(Office of Protected Resources)で海洋哺乳類の保護を担当するテリー・ロウルズ(Teri Rowles)氏は、解剖結果からイルカの大量死はフロリダ州南西部の赤潮と関連があるとみられると述べた。

 一方メーン州、ニューハンプシャー州、マサチューセッツ州の沿岸部では、ゼニガタアザラシとハイイロアザラシが感染症の影響を受けているという。ロウルズ氏は電話会見で報道陣に対し、NOAAは7月1日から8月29日の期間に浜に打ち上げられた生きているアザラシ137頭と死んだアザラシ462頭の計599頭を確認したが、未確認のアザラシも数百頭はいるだろうと述べた。

 検査の結果アザラシの中には鳥インフルエンザにかかったものや、イヌジステンパーウイルスに似たアザラシジステンパーウイルスによる疾患にかかっていたものがいた。両方の疾患にかかっていたアザラシもいたという。ロウルズ氏は、これほど多くのアザラシが感染症にかかった理由は分かっておらず、アザラシの死因を正式に特定するには時期尚早だと述べた。(c)AFP/Kerry SHERIDAN