【9月1日 AFP】ウクライナ東部の分離派勢力が拠点とするドネツク(Donetsk)の中心部で31日、爆弾が爆発し、分離派「ドネツク人民共和国(DNR)」の最高指導者アレクサンドル・ザハルチェンコ(Alexander Zakharchenko)氏(42)が死亡した。ザハルチェンコ氏の広報担当者が明らかにした。

 この広報担当者はAFPに対し、「DNRの首長、アレクサンドル・ザハルチェンコは本日、テロ攻撃によって死亡した」と述べた。DNRの公式ウェブサイトによると、爆発は午後5時半(日本時間同11時半)、カフェ「セパル(Separ)」で発生。ザハルチェンコ氏が死亡したほか、3人が負傷した。

 ザハルチェンコ氏は元実業家で、鉱工業都市ドネツクでウクライナ政府軍と戦う反政府派勢力を率い、2014年に共和国を自称するDNRの初代「大統領」に選出された。ウクライナでは同年の紛争開始以来、分離派の政治家や指揮官の殺害が相次いでいたが、ザハルチェンコ氏はそうした犠牲者の中で最も有名な人物となった。

 ロシア政府とウクライナの各分離派勢力は、ザハルチェンコ氏殺害はウクライナ政府によるものだと非難。一方のウクライナ当局は、事件は分離派の内部抗争と一帯の支配を狙うロシアの思惑に関係していると反論し、対立する別の分離派かロシア政府がザハルチェンコ氏を殺害したと非難している。(c)AFP