【8月28日 AFP】エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は27日、欧州諸国は軍事防衛面で米国の依存から脱却するべきだと呼び掛けた。マクロン氏は、欧州でのナショナリズム(国家主義)の拡大を受け、欧州連合(EU)の統合強化を求めている。

 夏季休暇から戻り外交課題に着手したマクロン大統領は、欧州の防衛面における協力強化に関する提案や、欧州東端諸国の懸念となっている安全保障関係をめぐるロシアとの協議を今後数か月間で進めていく考えを表明。外交官や議員、国際関係の専門家らおよそ250人を前に、「欧州は自らの安全保障についてもはや米国に依存することはできない。欧州の安全保障は私たち次第だ」と述べた。

 北大西洋条約機構(NATO)は第2次世界大戦(World War II)以降、米国と欧州の大半の国々を結び付け、欧州の安全保障の土台となってきた。しかしドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は繰り返しNATOから距離を置く姿勢を示しており、マクロン氏の発言はこれを受けたもの。

 EUの大国ドイツのハイコ・マース(Heiko Maas)外相も先週、軍事協力の強化を呼び掛けており、マクロン氏の発言がドイツで支持される可能性は高い。

 独仏はこの1年にわたり、欧州共同の小規模な即応部隊を創設する構想を支持し、戦闘機の共同開発計画も発表している。(c)AFP/Katy Lee