■拍手鳴りやまず

 公演を見るために山東省(Shandong)から来た韓さんは「カーテンコールの時には、もう手が痛くなるほど拍手したよ」と話す。

 今回感想を、「震撼」と評した。「萬斎氏が演出を統括するという2020年東京五輪の開幕式には是非、会場に足を運びたいね」と話す。

 初めて公演を見たという孫さんは、「文化の違いから、最初は見ても理解できないのではと心配しましたが、自分が思っていたよりも題材がユーモアにあふれていて、面白い場面がたくさんあった」と話す。

■狂言師も「初心忘れるべからず」

 野村万作、萬斎親子は翌11日、日本大使館主催の狂言講座を開いて、狂言の演技や心得などについて熱く語った。

 万作氏は、「北京の街中で『初心忘れるべからず』と書かれた看板などをよく見かけた。能を大成させた世阿弥(ぜあみ)も、かつてはこの言葉を伝えた人物であることを思い出し、非常に感慨深くなった。87歳の老人として、私も初心を忘れずこれからも芸術の最高峰へと精進し、狂言を磨き続けていきたい」と話した。

 狂言と中国の伝統演劇には多くの共通点があるといい、「最も重要なのは『美感』に対する追求だ」と万作氏。狂言はユーモアさを出しながら、美感も損なわないようにすることが大切なのだという。

 萬斎氏は、「狂言の持つ芸術的美感は、全人類が共有する価値観。だからこそ、みなが狂言の魅力に引きつけられるのではないかと思う」と話した。

 会場では、参加者が狂言の笑い声の出し方など、さまざまな技術などを学んでいた。(c)東方新報/AFPBB News