【7月31日 東方新報】中国国歌『義勇軍行進曲』の制作者である田漢(Tian Han)と聶耳(Nie Er)をテーマにした音楽会が19日、二人にゆかりのある神奈川県藤沢市で行われた。テーマは「田漢(Tian Han)と聶耳(Nie Er)の物語」で、日中友好集会とNPO法人田漢文化交流会などの団体が主催し、日中国交正常化45周年を記念する活動として行われた。

 義勇軍行進曲を作詞作曲した田漢と聶耳は、いずれも日本での生活経験があった。田漢は長年、日本に留学し、その後中国で著名な芸術活動家となった。聶耳は藤沢で友人と遊泳中に水死し、若くして帰らぬ人となったが、藤沢市民たちが彼の記念碑を建てたという縁がある。

 在日華人や藤沢市、同市議会代表など約200人の参加者が藤沢市民会館に集まった。音楽会では、まず、中国側出演者の『義勇軍行進曲』合唱から始まり、次いで中国・雲南省(Yunnan)玉渓(Yuxi)、河南省(Henan)平頂山(Pingdingshan)、湖北省(Hubei)武漢(Wuhan)などさまざまな地方から参加した人たちによる中国伝統演劇や民族歌舞、合唱などが披露された。現地の藤沢市の中学生とコラボした合唱団による日本民謡と中国民謡の合唱には、見事な演出に会場から大きな拍手と歓声が沸き起こった。

 田漢氏のめいでNPO法人田漢文化交流会理事長の田衛(Tian Wei)氏は、「当時の藤沢市民が記念碑を建て、中日両国の友好の証としました。この両人を記念して頂いたことは、まさに中日友好に貢献したのだと思います」と祝辞を述べた。

 コンサートに出席した藤沢市の宮治正志(Miyaji Tadashi)副市長は、中国語の成語「一个巴掌拍不響(ひとつの掌だけをたたいても音は出ない:孤立し協力者を失っては何もできない)」を引き合いにし、中日両国が一緒になってきれいな音を奏で、共にに努力していく必要性があるとあいさつした。また、中日友好発展のためには、文化芸術や科学技術、スポーツ、観光等の各方面での交流を深めていくことも必要だ、と述べた。(c)東方新報/AFPBB News