■砂漠に生息していた他の翼竜の標本より約6500万年古い

 翼竜の化石は今も砂岩に埋もれたままの状態だが、研究チームはCAT(コンピューター断層撮影)スキャン技術を用いて、それぞれの骨の精密な立体(3D)画像とモデルを作成した。

 今回の翼竜化石が発見された場所は、化石ハンターの間で「セインツ・アンド・シナーズ(Saints and Sinners)」として知られる遺跡。翼竜化石を含有した状態で発見された岩石は、巨大砂丘群があちこちに点在する200万平方キロにわたって広がる砂漠の中のオアシスの一部だった。今回の新種翼竜は、これまでに見つかった最大の翼竜ではないが、この時代の特に砂漠環境では最大級だった可能性が高い。

 また、砂漠に生息していた他の翼竜の標本の年代より約6500万年さかのぼるが、これまでに見つかっている同時期の翼竜は皆、現在の欧州やグリーンランドに当たる古代の沿岸地域に生息していた。

 高空飛行する翼竜は、世界の大半の地域に広く分布していたおかげで、陸と海の生物種の半数が死滅した「三畳紀末の大量絶滅(End-Triassic Extinction)」を生き延びることができた可能性がある。(c)AFP/Marlowe HOOD