【8月11日 AFP】北朝鮮は10日、国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長に対し、朝鮮半島の検証可能で不可逆的な非核化を求めて「無分別な発言」をし、米国に追従したとして非難した。

 グテレス氏は8日、都内で安倍晋三(Shinzo Abe)首相と会談。米主導の北朝鮮の核および弾道ミサイル開発計画の放棄に向けた取り組みについて話し合った後、「検証可能で不可逆的な完全な非核化を通じて、(北朝鮮は)この地域における国際社会の正常なメンバーになれる」と述べた。

 北朝鮮側はこの発言を「無分別」と反発。国連北朝鮮政府代表部は、「(グテレス事務総長は)ある特定の国(米国)を喜ばせるために制裁を声高に訴えるだけでなく、平和と安定を求めて朝鮮半島の現状に有益なことをするべきだ」とする声明を発表し、シンガポールで6月に行われた歴史的な米朝首脳会談と共同声明を世界が支持、歓迎している今、グテレス事務総長のこうした発言を耳にして「仰天した」と述べている。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は初会談を行い、「朝鮮半島の完全な非核化」に向けた共同声明に署名した。しかし、同声明は具体性に欠け、国連専門家パネルは先週、北朝鮮が核・ミサイル開発計画を推し進めていると報告していた。

 米国は国連加盟諸国に対し、北朝鮮に軍事計画を断念させるため同国への経済制裁を完全履行して圧力を維持するよう働き掛けており、日本もこの動きを支持している。(c)AFP