今年5月末、国家品質検査総局からの再三にわたる督促の下、東風本田はようやくCR-Vと、その後にシビック1.5Tのリコールを実施した。この間、東風本田は、初めのうちは問題の存在を否定し、ユーザーによる大規模なクレームを経て、国家品質検査総局からの召喚、CR-V1.5Tモデルの販売停止などの問題が相次いで発生。最後に、ようやく問題モデルのリコール実施につながった。

 こうした過程の中で、東風本田とCR-Vのイメージは大きく悪化し、本田中国のデータによると、今年の1~6月のCR-Vの販売台数は3万2728台で、前年同期比で59%減となった。

■低迷する乗用車ビジネス

 東風本田の販売不振を招いているもう一つの原因は、乗用車全般だ。

 本田中国によると、東風本田が扱う5種のモデルのうち3種は、今年上期の販売が減少した。販売台数は、「思鉑睿(Spirior)」のが前年同期比20.1%減、「哥瑞(Greiz)」は同54.6%減、「競瑞(Gienia)」は同49.3%減だった。

 資料によると、東風本田の競瑞、哥瑞の技術は、広汽本田(GAC Honda)が扱う「飛度(フィット、Fit)」と共に、ホンダ(Honda)の世界共通の小型車プラットフォームから来ており、中国市場でも、車ファンが呼ぶところの「スペシャルモデル」だという。中国の小型車市場で先頭を走ってきたフィットと共に市場シェアを取ることが期待されたが、東風本田の行動は消費者を大いに失望させた。(c)東方新報/AFPBB News