【7月20日 AFP】7月初旬にアイスランドの漁師たちが仕留めたクジラは、反捕鯨活動家らが主張していたような希少種で保護の対象となっているシロナガスクジラではなかったことが判明した。同国首都レイキャビクにある海洋・淡水研究所(Marine and Freshwater Research InstituteMFRI)が19日に発表した。

 問題のクジラは7月7日に捕獲されアイスランドの捕鯨基地に水揚げされていた。反捕鯨団体シー・シェパード(Sea Shepherd)はこのクジラが希少なシロナガスクジラだと主張。世界最大のクジラであるシロナガスクジラは1966年以降、国際捕鯨委員会(IWC)によって捕獲が禁止されている。

 だがアイスランドの捕鯨企業クバルル(Hvalur)は、これはナガスクジラだと主張。ナガスクジラは現存する動物の中で2番目に大きく、国際的には商業捕鯨の一時停止(モラトリアム)の対象となっているものの、アイスランドでの捕獲は合法となっている。

 MFRIの発表によると、遺伝子解析の結果、捕獲・解体された生物が実は「父親がナガスクジラ、母親がシロナガスクジラの交雑種」だったことが判明した。科学者らによるとこのような交雑種は非常にまれで、シロナガスクジラよりもさらに珍しい可能性もある。だが交雑種を保護する法律は存在しない。(c)AFP