【7月3日 東方新報】中国・湖北省(Hubei)孝感市(Xiaogan)郊外に住む中学生の小静(仮名)さんが今年3月30日、帰宅途中に刃物を持った男子同級生に服をすべて脱ぐよう脅され、抵抗した際に首や腕、足などを切りつけられた。容疑者の男子中学生は警察に逮捕されたものの、当時13歳だったため刑事責任を問われず、すぐに釈放された。

「法律は未成年犯罪者を保護するというのに、未成年の被害者である私の娘は誰が守るのか?」

  母親の趙さん(仮名)の心の、悲痛な叫びだ。男子中学生がまた仕返しに来ないか、また、娘の心の傷はどうやったら癒してあげられるのか。

 趙さんは心の叫びを6月26日、中国のソーシャルメディア(SNS)の微博(ウェイボー、Weibo)に記した。

「孝感市高新区の中学2年生の娘、小静が放課後に帰宅しようと、自宅マンションのエレベーターのボタンを押した時に、待ち伏せていた小学校からの同級生の黄容疑者に刃物で脅され、4階の空き部屋に連れて行かれた。1時間後、小静は3階の踊り場で発見された。全身に何もまとわず、首や腕、足には傷があった」

 毎日午後5時50分ごろには帰宅する娘が、午後6時になっても帰宅しなかったことを不審に思い、趙さんは急いで探しに行った。監視室の監視カメラの映像を確認すると、娘は午後5時43分にマンションに足を踏み入れてから一度も出ていないことがわかった。エレベーター内の映像にも写っていなかった。

 趙さんはすぐに警察に通報し、知人にも連絡した。午後7時30分頃、住民が3階の踊り場から聞こえてくる「助けて」という声を頼りに駆けつけると、踊り場の隅で体を震わせていた小静さんを発見した。小静さんはすぐに病院へ運ばれた。

 小静さんによると、当時、午後5時43分ごろにマンションに入りエレベーターのボタンを押すと、向かいの階段から突然、刃物を持った黄容疑者が襲いかかってきたという。黄容疑者と小静さんは小学校時代は同じクラスで、現在も共に同じ中学校に通う2年生だった。

 黄容疑者は刃物で小静さんを脅しながら階段で4階の空き部屋に連れて行くと、持っていた刃物で小静さんを切りつけた。金が見つからず、黄容疑者は小静さんを脅して衣服を脱がせ、金品を隠し持っていないか確認した。その後、黄容疑者が隣の部屋に行った隙に小静さんは部屋の窓から3階の踊り場に飛び降り、隠れていたところを住民に発見された。

 傷ついた娘を前に、趙さん夫婦は胸が引き裂かれる思いだった。さらに受け入れ難かったのは、捕まった黄容疑者がすぐに釈放されたことだった。

 小静さんは16日間の入院生活で体重が5キロも減り、その後自宅療養になった。以前の活発で明るかった娘は、寡黙になった。