【7月1日 AFP】2日から開幕するテニスのウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)で、今年もラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)がオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)へ戻ってくる。今大会は、ナダルがウィンブルドン史上最高の名勝負とも言われるロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)との決勝を制し、大会初制覇を果たしてからちょうど10年。しかしそれから10年が経つ今も、激闘の輝きは色あせていない。

 ナダルが6-4、6-4、6-7(5-7)、6-7(8-10)、9-7で勝利を収めた2008年大会の決勝を、神聖なウィンブルドンのセンターコートの歴史で最高の試合と評す人は多い。またこの試合は、多くのファンを魅了し、テニスが巨大ビジネスとして復活を遂げる大きな要因ともなった、フェデラーとナダルのライバル関係の一つの到達点でもある。

 またナダル個人としても、得意のクレーコートで開催される全仏オープンテニス(French Open)以外で初めて四大大会(グランドスラム)のタイトルを手にした、キャリアの転換点でもあった。それまで2年連続でフェデラーの前に決勝で涙をのんでいたナダルは、ウィンブルドンでフェデラーを破って自身の強さを証明することの重要性を分かっていたかのように、この試合の後、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)と全米オープンテニス(US Open Tennis Championships)も制し、男子テニスの歴史に名前を残す名選手になっていった。

 それから現在に至るまで、17個のグランドスラムタイトルを手にしているナダルは、開幕を前にした記者会見で、10年前の最高の瞬間を思い出すと今でもうれしい気持ちがよみがえってくると話している。

「もちろんあの瞬間、あの決勝は僕のキャリアにとって非常に大きな一歩だった。僕がプレーしてきた中でも、とりわけ感動的な試合の一つなのは間違いない」

「みんな知っての通り、ここで勝つのは自分の夢だった。2年連続で決勝で負けた後、あの決勝で自分のテニスキャリアに大きなインパクトを生み出せた。あの大会が与えてくれた充実感を、ほかのことと比べるのは難しい。まあでも、最高なのは確かだ」