■あっさり敗退

 もう少し厳しい言い方をすれば、エジプトはあっさりと大会から姿を消し、チュニジアもしかり。モロッコは善戦したものの得点不足に終わり、ナイジェリアはセネガルと同様に、重要な場面でミスを犯してしまった。アフリカ勢は合計15試合で3勝するのがやっとで、そのうち1勝は順位が確定してから記録したものだった。

 コロンビアに0-1で敗れた試合後に潔い姿勢を示したセネガルのアリュー・シセ(Aliou Cisse)監督は、最終戦を前に自身のチームを「アフリカ勢」と呼びながら、「明るい未来がある」と希望を託していた。しかし、世界的な大会におけるアフリカ勢の成績が、頭打ちとなっているのは明白となっている。

 これまでのW杯でベスト8入りを果たしたアフリカ勢は、ロジェ・ミラ(Roger Milla)氏が大活躍した1990年のカメルーンをはじめ、2002年のセネガル、そしてウルグアイのルイス・スアレス(Luis Suarez)によるハンドがあった末にPK戦で準決勝進出を逃した2010年のガーナの合計3チームにとどまっている。

 W杯に出場するアフリカ勢のチーム数が増加し、サッカー界最大のイベントで同大陸のチームが歴史を刻むことをファンが辛抱強く待ち望んでいる中、今回の結果は意外なものとなっている。

 アフリカ勢に大きな期待が寄せられる中で開幕した今大会では、エジプトのサラーが最も話題に上がるスター選手の一人となっていたが、同選手が欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2017-18)決勝で負傷してしまったことが代表チームの可能性に影響を与え、何週間も暗いニュースを供給するきっかけとなってしまった。

 W杯において唯一の明るい兆しは、大会の規模が拡張される2026年大会にはアフリカ勢の数が5チームから9チームに増加することとなっている。(c)AFP/David HARDING