■「男の世界」

 ドイツでジャーナリズムを教えるヤナ・ウィスケ(Jana Wiske)氏は週刊誌「デア・シュピーゲル(Der Spiegel)」で、今回のW杯を取材するドイツ人記者419人のうち女性は49人しかいないことを考えると、今回の出来事は驚きではない、と指摘した。

 女性が試合についてコメントするのを聞くのはまだ一般的なことではない、とウィスケ氏は言う。「サッカーはドイツだけではなく世界中で、男の世界だ。女性コメンテーターに対する今回のような屈辱的な批判があっても、全く驚きはしない」と指摘した。

 サッカーの試合のコメンテーターという仕事にジェンダーの平等をもたらすという点について、独公共放送ARDでは、男子サッカーのための女性コメンテーターを「中期的に」探していると発表した。

 もっと多くの女性コメンテーターを集めるのは、時に女性に敵対的な雰囲気があるためにいまだ難しいとARDのスポーツ局長、アクセル・バルカウスキ(Axel Balkausky)氏は言う。同氏は別の公共放送ZDFに対し、「努力はしている。だが、今われわれが目にしているように、ばかげたネガティブなリアクションが度々起こることを考えると、そうした状況に対処できるために、コメンテーターを務める女性は非常にしっかりした人物でなければならない」

(c)AFP/ David COURBET