【6月28日 AFP】サウジアラビアの女性テレビ司会者が「みだらな」服装をしていたとして、同国当局が捜査を開始した。問題となった服装は同国で女性の運転が解禁されたことを伝えるリポート時のもので、ソーシャルメディア上で非難の声が上がっていた。

 アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)を拠点とするアルアーンテレビ(Al Aan TV)のサウジアラビア人司会者、シリーン・リファイエ(Shireen al-Rifaie)さんがヘッドスカーフをゆるくまとい、ガウンの隙間からズボンやブラウスがあらわになった動画はインターネット上などで広く拡散された。

 この動画には「リヤドで裸の女が運転をしている」というアラビア語のハッシュタグが付けられ、ソーシャルメディア上で超保守主義者たちの非難の的となった。

 サウジアラビア当局は26日、リファイエさんが「みだらな服」を着用したことは「規則と指示に違反している」と非難し、捜査官に報告したと明らかにした。

 リファイエさんは規則違反を否定し、ニュースサイトのアジェル(Ajel)に対して自分は「ちゃんとした服」を着ていたと反論。アジェルの報道によると、議論が巻き起こった後にリファイエさんはサウジアラビアを出国したという。

 保守的な国柄で知られるサウジアラビアでは今月、レオタードを着用した女性たちが出演するサーカスに対して保守派から非難が相次ぎ、娯楽当局のトップが解雇された。また4月に同国で行われた米プロレス団体WWEの興行では、プロモーション映像に登場した露出度の高い衣装の女子レスラーについてスポーツ当局が謝罪する事態も起きた。(c)AFP