【6月17日 AFP】中米ニカラグアの首都マナグアで行われたダニエル・オルテガ(Daniel Ortega)大統領の退陣を求める抗議デモで16日、警察発表で少なくとも8人が死亡した。これで4月に始まった一連の抗議デモの死者は累計178人となった。

 警察によると、死者8人のうち6人は家族で、一家が住んでいた家は夜明け頃、フードを被った武装集団に火炎瓶を投げ込まれて全焼した。近隣住民によると、この家に住んでいた女性1人と子供1人がバルコニーから飛び降りて脱出した。女性は重体で、子どもは搬送先の病院でやけどの手当てを受けているという。

 16日はこの他に、路上のバリケードを撤去しているところを襲われた2人が死亡した。

 米州機構(OAS)のルイス・アルマグロ(Luis Almagro)事務総長はツイッター(Twitter)に、「こうしたテロ行為は人道に対する罪であり、処罰は免れない」と投稿した。

 オルテガ氏退陣を求める抗議活動は約2か月続く中でエスカレート。これに対し政府は容赦なく弾圧を行っている。

 カトリックの聖職者らは政府と市民代表との交渉再開を図り、15日には「検証」委員会の設置と、暴動について独立した国際機関への調査を要請することで政府と市民代表が合意したとする予想外の発表を行った。

 レオポルド・ブレネス(Leopoldo Brenes)枢機卿によると、政府は新しい合意の下で「全ての死と暴力行為、責任を負うべき者の特定、犠牲者のために実効性ある法の裁きを実現させる包括的計画」についての調査を、OASの米州人権委員会(IACHR)に求めることになるという。(c)AFP/Blanca MOREL