「大きな黒いアザ」で孤立する4歳少女、医療システム崩壊のイラク
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■「絶対に一緒に遊ばない」
ハウラちゃんの母親はAFPの取材に、「複数の医師に診てもらったが、だれもがイラクでは治療できないと言う。国外の特別な病院に行かないといけない、と。でも私たちは治療費どころか旅費も出せない」と切実な思いで訴える。
ハウラちゃん一家にとっては、かゆみを和らげるための治療ですら手が届かない。気温50度を頻繁に超えるこの国では、夏の暑さでかゆみが悪化する。
ハウラちゃんの高齢の父親は病気のために働くことができない。母親は「ハウラの4人のきょうだいを学校に行かせ、生活するだけで精一杯」とため息をつく。
家の外に出ると、通り過ぎる子どもたちはハウラちゃんを大げさによけていく。そのうちの1人は「預言者(イスラム教の預言者ムハンマド)に頼まれたとしても、遊ばない」と言った。
他のきょうだいが学校に行くなか、ハウラちゃんは家の中で1人で座り、緑色のフレームの鏡を悲しげにのぞき込んでいた。大きな茶色の瞳とかわいらしい顔だけが映るよう、鏡は顔に近づけられていた。(c)AFP/Haydar INDHAR