【6月7日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は6日、2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)に初めて開催国として出場する代表チームに、立て直しを求めた。

 現在、ロシア代表は旧ソ連崩壊後では最悪の時を送っている。5日にモスクワで行われたトルコとの国際親善試合を1-1で引き分けたことで、スタニスラフ・チェルチェソフ(Stanislav Cherchesov)監督は、同国では初めて7試合連続で勝利から見放された指揮官になった。選手らはブーイングを受けながらその試合が行われたピッチを後にしており、14日のW杯開幕戦に向けファンが抱く期待は低い。

 プーチン大統領は、ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)ウェブサイトにこの日掲載されたインタビューの中で、代表チームには勇気とスタイルを持ってほしいと述べた。

「ロシア代表に関しては、残念ながらここ最近はしっかりとした結果を残せていないという事実を認めなければならない」

「しかしわれわれはとても期待しており、ロシアサッカーを愛するすべての人やファンも、最先端で面白いサッカーを見せられるよう威厳を持ってプレーし、最後まで戦ってほしいと思っている」

 ロシアは、2度のW杯制覇を遂げているウルグアイと同居するグループで16強入りを果たすべく、伏兵のサウジアラビアやエジプトと2位の座を争うとみられている。

 ロシア連邦成立後、代表チームはW杯のグループステージを一度も勝ち抜いておらず、自国開催の大会でその埋め合わせをすることに躍起になっている。

 しかし、チェルチェソフ監督が率いるチームは負傷者の続出により崩壊し、試合ごとにメンバー選考やフォーメーションの変更を余儀なくされている。

 プーチン大統領は、ロシアにとって最大の成果は単純にW杯を成功させることなのかもしれないと考えている。

「開催国としてのわれわれの重要な目標は、世界中に何百万といるサッカーを愛する人たちを喜ばせるため威厳を持って大会を運営することだ」

「それこそが最も大きな成果となるはずだ」

 またプーチン大統領は、決勝戦がモスクワで行われる7月15日に優勝を成し遂げるのはどのチームになるかを問われ、遠慮がちに以下のように答えた。

「難しい質問だ。候補のチームはたくさんある。アルゼンチンやブラジルといった南米勢もそうだし、前回大会でドイツが素晴らしかったのも記憶に新しい」

「スペインは高いクオリティや美しいサッカーを披露した。候補チームは必ず他にもある。しかし、最も強いチームが優勝するだろう」

 プーチン大統領には「もし代表が恵まれた組といわれるグループAを突破できなかったらどうなるか?」という質問が飛ばなかった一方で、パベル・コロプコフ(Pavel Kolobkov)スポーツ相は先月下旬、チームの決勝トーナメント進出は絶対であると語った。

「われわれがまずやらなければいけないことは、グループステージ突破だ。議論するまでもない話だ」 (c)AFP