【6月6日 AFP】イタリア・マフィア対策庁(DIA)のジュゼッペ・ゴベルナーレ(Giuseppe Governale)長官は5日、イタリア・マフィアの暴力は国内のみにとどまらない「グローバルな」現象で、欧州の数か国ではその影響力が浸透しつつあると警告した。

 同長官は首都ローマで開かれた外国メディアとの会見で「組織犯罪は海外へも拡大し、グローバル化している」と述べた。シチリア島の有力マフィア組織「コーザ・ノストラ(Cosa Nostra)」はこれまでも常に米国、カナダ、オーストラリアに存在してきたが、一方でカラブリア(Calabria)州のマフィア組織「ヌドランゲタ(Ndrangheta)」の影響力は過小評価されていると指摘した。

 さらに同長官は、マフィア組織は活動している世界中の国々につながりを持っているが、ヌドランゲタはイタリア国内で築き上げた組織構造と同じような組織を海外でも作り上げる傾向があると強調した。例えばベルギーのブリュッセルでは「建物をいくつか購入するだけではなく、地区ごと全体を買い取っている」という。

 一方、これまで致命的な攻撃を繰り返し、非情さで悪名高いコーザ・ノストラは、上層部の大半が検挙され現在、組織面で大きな困難を抱えていると指摘。その脅威は弱まっているが「不幸なことにいまだに組織の拡大を許す条件が存在している」と述べた。(c)AFP