【4月30日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は29日、就労を目的とした自国民のクウェートへの渡航を恒久的に禁止すると明らかにした。これまでは一時的な措置にとどまっていた。クウェートで就労するフィリピン人労働者への待遇をめぐり、両国の外交的な対立がさらに深まっている。

 クウェートでメイドとして働いていたフィリピン人女性が、冷凍庫内に押し込められた状態で発見された事件を受け、ドゥテルテ大統領は2月、クウェートでのフィリンピン人の新規就労を全面的に禁止していた。

 さらに先週、クウェートのフィリピン大使館職員が、雇用主から虐待を受けていたとみられるフィリピン人メイトを手助けしている様子を捉えた動画が公となったことをめぐり、クウェート当局がフィリピンの外交官に国外退去を命じたことから、両国の緊張が高まっていた。

 ドゥテルテ大統領は出身地である同国南部ダバオ(Davao)で記者団に対し、「禁止措置を恒久的なものにする。特に家政婦は今後増えることはない」と語った。

 フィリピン外務省によると、クウェートでは約26万2000人のフィリピン人が働いており、その60%近くが家政婦。(c)AFP