中国とバチカン、司教の任命権めぐる歴史的な合意間近か 報道
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【3月29日 AFP】バチカン(ローマ法王庁)と中国政府が、同国内の司教の任命に関して、早ければ31日にも歴史的な合意を結ぶ可能性があることが、中国政府公認の司教の話で明らかになった。現地紙が報じた。
国営英字紙・環球時報(Global Times)は29日、中国天主教主教団(BCCCC)の事務局長を務める郭金才(Guo Jincai)司教の話として、交渉が「最終段階」に達したと伝えている。
当局公認の郭司教は、「万事うまく行けば、早くて今月末にも合意を結び得る」と述べており、復活祭の直前に実現する可能性が出てきた。
バチカンは長くこう着状態にあった中国政府との交渉を3年前に再開。交渉の大きな障害となってきたのが、司教を任命するのが中国政府かローマ法王庁かという問題で、その解決がいよいよ近づいてきたとみられる。
関係筋が先月AFPに語ったところによると、バチカンはこの合意の下、中国政府が中国天主教(CCC)の長としてローマ法王の権威を受け入れることを期待して、中国政府が選出した司教7人を認める可能性があるという。
中国政府とバチカンは1951年に断交。中国国内のカトリック信者が増えるにつれて関係は改善されてきてはいたが、司教の任命権をめぐってぎくしゃくした関係が続いていた。
約1200万人に上る中国のカトリック信者は、無神論の立場をとる共産党が聖職者を選出する政府系の団体と、バチカンへの忠誠を誓う非公認の地下教会とに分裂している。(c)AFP/Joanna CHIU