【3月28日 AFP】中国政府とバチカンが中国国内での司教の任命権について歴史的合意を進める中、バチカンに正式に承認されている中国人司教が福建(Fujian)省にある自身の教区で、当局に一時身柄を拘束されていたことが分かった。

 カトリック教会の関係筋によると、中国南東部・福建省閩東(Mindong)教区の郭希錦(Vincent Guo Xijin)司教(59)は26日午後に身柄を拘束され、翌27日午後に住まいに戻ってきたという。拘束された理由は不明。

 バチカンの認定を受けているミラノ外国宣教会(P.I.M.E.)が運営するウェブサイト「AsiaNews.it」は先に、郭司教が26日に同区の別の職員1人とともに身柄を拘束されたと伝えた。同司教はバチカンの認定は受けているが、中国当局には認められていない。

 バチカンはこの件についてのコメントを差し控えており、中国の地元警察と福建省の宗務当局はAFPの取材に対し、拘束については把握していないと述べている。

 AsiaNews.itによれば、郭司教は26日午後、宗務当局に出頭を命じられ、夕方に荷物をまとめるために住まいに戻った後、現地時間午後10時ごろに連行されたという。

 同サイトによれば、郭司教は昨年も20日間行方が分からなくなっていた。

 香港在住の国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)の職員、潘嘉偉(Patrick Poon)氏はAFPの取材に対し、「司教に嫌がらせをし、正当な理由もなく連行するのは恥ずべき行為であり、信教の自由の侵害」だと話した。(c)AFP