【3月26日 AFP】シリアの首都ダマスカスの近郊、東グータ(Eastern Ghouta)で25日、反体制派の戦闘員や住民ら5400人以上が新たに退避した。反体制派が占拠していた東グータにシリア政府が総攻撃を開始してから5週間がたち、政府軍はすでに同地区の9割以上を奪還している。

 ロシアはシリア政府による東グータの完全制圧を支援するため、複数の反体制派勢力と同地区内の残り3か所からの撤退交渉を進めている。

 シリア国営テレビによると、25日には東グータのアルビン(Arbin)、ザマルカ(Zamalka)、ジョバル(Jobar)から戦闘員とその家族、市民ら計5400人以上がバス81台で退避した。

 多くのバスは早朝に出発したが、検問所では全車両がそろうまで数時間待機させられた。各車両はシリア政府軍によって戦闘員が軽量兵器以外を持ち込んでいないか調べられ、26日早朝、北西部イドリブ(Idlib)県に向けて再び出発した。

 アルビン、ザマルカ、ジョバルの住民らは涙ながらに故郷の町に別れを告げた。そのうち20代の男性は「私は民間人で武器を所持したことはない。激しい爆撃のために故郷を離れざるを得なくなった」と話した。

 東グータの一部を支配していた反体制派組織「ファイラク・ラーマン(Faylaq al-Rahman)」とロシアとの撤退合意では、住民らに対し政府軍が掌握した同地区に残る選択肢も与えられた。しかし、ザマルカの反政府活動家の男性は、残ることを拒否した理由をこう語った。「私の家族、きょうだい、友人を殺した人とどうやって一緒に暮らせと言うのか。私自身と私の生活、私の将来を壊した人と」

(c)AFP/Maher al-Mounes with Abdulmonam Eassa in Arbin