【3月11日 AFP】17-18フランス・リーグ1は10日、第29節の試合が行われ、現在19位で降格の危機にひんするリール(Lille OSC)は、本拠地スタッド・ピエール・モーロワ(Stade Pierre-Mauroy)でモンペリエ(Montpellier HSC)と1-1の引き分けに終わり、試合後には怒ったリールのサポーター100人ほどがピッチに侵入し、選手を攻撃しようとする騒ぎがあった。

 ピッチになだれ込んで選手通路の前に集まった一部のファンは、侮辱的な言葉を叫び、さらには先制点を決めたニコラ・ペペ(Nicolas Pepe)ら選手を蹴ろうとした者もいたが、最終的には警備員に退去させられた。会場ではルクセンブルク生まれの実業家で、昨年クラブを買収したジェラール・ロペス(Gerard Lopez)会長が観戦していたが、中継映像には信じられないというように首を振りながら騒動を見つめる姿が映し出されていた。

 リールのクリストフ・ゴルティエ(Christophe Galtier)監督は「今は非常に難しい状況だが、選手があんな目に遭うのは間違っている。われわれのサポーターは怒り、フラストレーションをため、リーグ2への降格を恐れている。それはわかるが、ピッチへ侵入して暴力を振るってもなんにもならない」と話した。

 アルジェリア代表FWのヤシン・ベンジア(Yassine Benzia)も「ファンの反応は理解できるけれど、選手への攻撃を受け入れるわけにはいかない。越えてはならない一線というものがある。ドレッシングルームの選手たちは怖がっていた」と話した。

 リールは今季、上位進出を狙ってマルセロ・ビエルサ(Marcelo Bielsa)監督を招へいしたが、奇人としても知られるビエルサ監督の下でチームは低迷し、2017年末に指揮官を解任。しかし、冬季中断中に就任したゴルティエ新監督の下でも、リーグ戦10試合で2勝しか挙げることができず、2011年にリーグ優勝まで果たしたチームは、2000年以来となる降格の可能性に直面している。

 クラブはまた、不当な扱いを受けたと訴えるビエルサ前監督から最大1800万ユーロ(約24億円)の賠償金を請求されており、さらにはリーグから不健全な経営を指摘されて補強禁止の処分も科されていた。(c)AFP