【4月15日 AFP】13日に行われたヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2016-17)準々決勝第1戦で対戦したオリンピック・リヨン(Olympique Lyon)とベシクタシュ(Besiktas)の両クラブは、試合を混乱に陥れた暴力行為を引き起こしたと、互いのサポーターを非難し合っている。

 欧州サッカー連盟(UEFA)は、暴力行為とピッチへの乱入が発生した一戦について調査を開始しており、両クラブは処分に備えている。

 リヨンはサポーターの隔離に関する「不十分な組織」など4件が、ベシクタシュは観客の騒乱と物の投げ入れが処分の対象となっている。

 UEFAは試合を主管したリヨンを厳しく罰するとみられ、重い罰金からサポーターの出入り禁止、欧州大会のホームゲームの中立地開催など多岐にわたった処分が科される可能性がある。

 リヨンの法務部長代理を務めるバンサン・ポンソ(Vincent Ponsot)氏は、「試合の主管としてわれわれに責任はある。われわれがベシクタシュサポーターの攻撃の犠牲者であることが明らかな場合を除いては」と会見でコメントした。

 一方でベシクタシュの広報を担当するメティン・アルバイラク(Metin Albayrak)氏は、トルコの半国営アナトリア(Anadolu)通信に対し「すべてはリヨンの責任の下にある。ベシクタシュを罰する必要性はない。ホームチームの最優先事項は、試合を安全で、正しい状況の下で行えるようにすることだ。罰せられるべきはリヨンだけであり、ベシクタシュではない」と語っている。

 フランスでのリスクの高い試合とされた一戦は、係員がピッチになだれ込んだリヨンのサポーターを排除するため45分遅れてキックオフされた。リヨンのサポーターは、スタジアム上部から発煙筒や爆竹が雨のように投げ込まれ、身を守ろうとするためにピッチに避難した。

 また、その前にはスタジアムの外で暴動や破壊行為が発生したため、警官隊が催涙ガスを使用していた。

 警察の広報官によると両クラブのサポーター合わせて12人が逮捕されている。また物の投げ入れでサポーター2人が軽傷を負い、暴動で5人の警官が負傷している。

 来週行われる第2戦に注目が移る中、リヨンのジャン・ミシェル・オラス(Jean-Michel Aulas)会長はチームやサポーターの安全に関する懸念をあらわにするとともに、試合が無観客で行われる可能性を挙げている。

 ポンソ氏によると、リヨンは「UEFAに対してイスタンブール(Istanbul)での選手の安全確保を求めている」という。(c)AFP