【3月4日 AFP】米ロサンゼルスで3日、昨年1年間で最低だった映画に贈られる第38回ゴールデン・ラズベリー賞(通称:ラジー賞、Razzies)が発表され、冒険アニメーションの『絵文字の国のジーン(The Emoji Movie)』が最低作品賞に選ばれた。

 2017年の最低映画賞候補には、『絵文字の国のジーン』のほか、『ベイウォッチ(Baywatch)』や『フィフティ・シェイズ・ダーカー(Fifty Shades Darker)』、『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女(The Mummy)』、『トランスフォーマー/最後の騎士王(Transformers: The Last Knight)』がノミネートされていた。

 主催者は声明で、昨年の映画について「有害なほどに独創性のない」「ハリウッド(Hollywood)の二番煎じのごみの山が史上最高に達した」と述べた。

 今回、ラジー賞史上で最低作品賞に選ばれた初のアニメーション映画となった『絵文字の国のジーン』は、他にも最低脚本賞、最低監督賞、最低スクリーンコンボ賞を受賞し、4冠を達成した。

 最低主演男優賞は『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』のトム・クルーズ(Tom Cruise)、最低主演女優賞は『タイラー・ペリーの出たぞ~! マデアのハロウィン(Tyler Perry's Boo! A Madea Halloween)』の最新作に「女装」で出演したタイラー・ペリー(Tyler Perry)が受賞した。

 受賞者を発表する映像の中の「追悼」の場面では、大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏や俳優のケヴィン・スペイシー(Kevin Spacey)氏、ウディ・アレン(Woody Allen)氏、コメディアンのビル・コスビー(Bill Cosby)氏ら、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)スキャンダルで名前が挙がったハリウッドの有名人たちの画像が映し出された。

 映像では「申し訳ない…だが、あなたたち─またはあなたたたちのような類いの人物がいなくなっても寂しくない」と述べられていた。

 ラジー賞は1980年に創設され、アカデミー賞(Academy Awards)授賞式の前夜に行われる。女優サンドラ・ブロック(Sandra Bullock)は2010年、『ウルトラ I LOVE YOU!(All About Steve)』でラジー賞の最低女優賞を受賞し、翌日のアカデミー賞では『しあわせの隠れ場所(The Blind Side)』で主演女優賞を受賞した。

 ラジー賞は一部を除き大抵の部門がゴールデンラズベリー賞財団(Golden Raspberry Award Foundation)の会員約800人の投票によって選出される。投票権は入会金40ドル(約4200円)と会員の年間更新費25ドル(約2600円)を支払えば付与される。(c)AFP