【3月2日 AFP】糖尿病の新たな分類法が2日、専門誌「ランセット・糖尿病および内分泌学(The Lancet Diabetes & Endocrinology)」に発表された。研究班は、治療の改善に加え、致命的な合併症のより正確な予測につながる可能性があると期待を示している。

 糖尿病は現在、血糖値の調節作用のあるホルモンであるインスリンを全く生成できない1型と、生成はするが量が不十分な2型の2つに分類されている。

 ただ2型についてはその多様性が数十年前から認識されてきたにもかかわらず、分類の見直しには至っていなかった。

 今回発表された新分類法では、成人糖尿病を現行の2つではなく、5つに分類する。論文の上級執筆者で、スウェーデンのルンド大学(Lund University)で内分泌学を専門とするレイフ・グループ(Leif Groop)氏は、この新分類が糖尿病診断の「革命的変化」になるとみている。

■「期待上回る成果」

 研究班は、新たに糖尿病と診断された18~97歳の患者1万3270人を対象に、インスリンの抵抗性と分泌量、血糖値、年齢、発症年齢に応じて5型に分類。うち3つが重症、2つが軽症に区分される。

 重症型の中でも、細胞がインスリンを有効に活用できないインスリン抵抗性患者群は、他群に比べて腎臓病を発症するリスクがはるかに大きい。

 グループ氏によると、最適とはいえない治療が行われている恐れが高いのも同群で、新分類法の適用で最大の恩恵が期待できるとしている。

 グループ氏は本研究について、「成果はわれわれの期待を上回った」と評価。今後は同様の研究を中国とインドでも実施する計画だという。(c)AFP/Marlowe HOOD