■ワインのように飲まれることを意識した新世代の日本酒

 リー氏は、「日本人の大半は、残念ながら日本酒にそれほど詳しいわけではありません。新酒となると、詳しい人はもっと少ない。でも今は、実にさまざまな方法で酒造りを行う世代が生まれ、そうした若い生産者に対する関心が非常に高まってきています」と話す。

「伝統的な日本酒といえば、料理の邪魔をしない味が求められました。一般的に香りはそれほど強くないか、まったくないか。後味もそんなに引かないものだったりしました」(リー氏)

 しかし、そうした特徴にも変化が出始めているという。「新酒や現代的な日本酒は、伝統的なものに比べて香りがはるかに強く、ワインのように飲まれることをかなり意識して造られています」とリーさんは語る。

 現在のところ、フランスに輸出されている新酒は、山口県岩国市で製造されている「獺祭(Dassai)」のみだが、来年は少なくともさらに10銘柄を輸入したいとリーさん。

「フランスではこの5年間、日本酒への関心が非常に高まってきています。販売量はまだ非常に少ないですが(年間約5万本)、年々増加傾向にある」という。フランス国内の大手ワイン専門店も現在、日本酒を置いている。(c)AFP/Fiachra GIBBONS