【1月28日 東方新報】「役に立たず無為に過ごす紅茶」「命の無駄遣い緑茶」「家が買えないアイスレモンティー」……。悲しい名が付けられたお茶を出すのは、「喪茶(SungTea)」という飲料店。白と黒を基調にデザインされた「喪茶」の店内のメニューには、「頑張れ、君が一番太っているラテ」「元彼の方が私より幸せ紅茶」など、後ろ向きな文言が並んでいる。

 中国の若者の間では2016年ごろから、自虐や自嘲といった若者の心理を表した「喪文化」が流行している。西北民族大学(Northwest Minzu University)民族学・社会学学院の常進鋒(Chang Jinfeng)講師は、「『喪文化』は退廃的で悲観的な情緒と色彩を帯びた言語や文字、絵などのサブカルチャーの一種だ」と説明する。

 心理カウンセラーの李国翠(Li Guocui)氏によると、「喪文化」の流行の中心にいるのは90年代生まれの若者だという。多くは一人で故郷を離れて都会で働いており、家は借家で独身、人との交流が少ないのが特徴だという。「仕事はあるが心理的に満たされておらず、無気力だ。心の中ではこのままではいけないと分かっているが、どうしていいのか分からず、何も行動に移せないまま、口では自分を責めている」と分析する。