【1月19日 AFP】大韓スケート連盟(KSU)は18日、平昌冬季五輪を来月に控えた韓国のショートトラック女子代表チームを率いるコーチに資格停止処分を科したと発表した。地元メディアによると、問題のコーチはソチ冬季五輪金メダリストの沈錫希(Suk-Hee Shim、シム・ソクヒ)を殴ったと伝えられている。

 韓国のショートトラックは特に女子が圧倒的な強さを誇ることで知られているものの、ブートキャンプ(新兵の訓練プログラム)式のトレーニングや選手への暴行、そして派閥争いなどをめぐり、数年前から物議を醸している。

 韓国の聯合ニュース(Yonhap News)は、KSU関係者の話として、沈が子ども時代から師事してきたコーチから暴行を受け、16日に代表トレーニングセンターから逃げ出したと報道。同選手はその2日後、施設に戻ったとされている。

 代表チームの主将を務めている沈は、4年前のソチ五輪ではショートトラック女子3000メートルリレーで優勝し、同1500メートルで銀メダル、同1000メートルで銅メダルを獲得した。

 KSUは18日、トレーニングの最中に「選手とコーチの間」で「問題」が発生し、コーチが資格停止処分になったと発表したが、詳しい情報や個人名については公表しなかった。声明では、「事件について調査し、ただちに必要な措置を講じる。選手たちが五輪への準備に集中できることを保障するために、最善の努力を尽くしていく」と述べ、現在スケーターたちが普段通りにトレーニングを行っていることもつけ加えた。

 平昌五輪の開会式が3週間後に迫る中、今回の事件が発覚したショートトラックは、沈の地元である江陵(Gangneung)で競技が行われることになっている。

 チームメートのチェ・ミンジョン(Min-Jeong Choi)とともに、沈は近年の女子ショートトラックで強豪選手として活躍してきたものの、五輪本番に向けてペースを維持できておらず、これが指導者との確執につながったと、聯合ニュースは連盟関係者の話として伝えている。

 韓国のショートトラック界では、2004年にも女子の代表メンバー8人のうち6人が、コーチから繰り返される暴行に抗議してトレーニングを放棄し、コーチが辞任する事態に発展した。(c)AFP