【1月12日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は11日夜、新たな場所に移転した在英米大使館の開館式典に出席しない意向を表明した。

 トランプ氏が英国を訪問すれば抗議デモで迎えられるだろうとの報道が飛び交う中、同氏は深夜にツイッター(Twitter)で、来月予定されていたロンドン訪問を取りやめる意向を表明。その理由として、新大使館の立地と建設費が気に入らないことを挙げた。

 トランプ氏は「私がロンドン訪問を取りやめる理由は、オバマ政権がロンドンのおそらく最高の立地にあった最高の大使館を『はした金』で売却し、12億ドル(1330億円)もかけてへんぴな場所に新大使館を建てたことが気に入らないからだ」、「ひどい取引をしておいて、私にテープカットをしろだって―お断りだ!」と投稿した。

 トランプ氏は英国への公式訪問も打診されているが、抗議デモをめぐる不安から日程は詰められていない。

 テリーザ・メイ(Theresa May)英首相は今月7日にも「トランプ氏は英国に来る」と述べ、公式訪問の計画が生きていることを強調している。

 一方、大規模な抗議デモを計画していた英国のトランプ批判派は、訪問中止を歓迎している。トランプ氏を英国に招待することに強い反発が起きている当初の理由は、トランプ政権が一部のイスラム諸国を対象にした米国への入国禁止令だったが、さらに最近では英国の極右団体「ブリテン・ファースト(Britain First)」の幹部がツイッター(Twitter)に投稿した反イスラム動画をトランプ氏がリツイート(再投稿)したことで、いっそうの反発を招いている。

 野党・労働党のチュカ・アマナ(Chuka Umunna)議員はトランプ氏の訪問中止決定を「心から歓迎する」とし、「「この国の極右団体の憎悪とプロパガンダを広めているような人物だ」と述べた。

 また同じく労働党のスティーブン・ダウティー(Stephen Doughty)議員はツイッターへの投稿で「ドナルド・トランプがロンドン行きをキャンセルした理由は、われわれが彼のレイシスト(人種差別的)で、セクシスト(性差別的)で、思慮に欠ける言動を好まないからだ」と述べた。(c)AFP