【1月10日 AFP】ナイジェリア中部ベヌエ(Benue)州で牧畜民と農民の衝突が続いており、昨年12月31日以降に80人が死亡した。同州の危機管理当局が9日、明らかにした。衝突の影響で約8万人が避難を余儀なくされているという。

 主にイスラム教徒の牧畜民らとキリスト教徒の農民らとの衝突は、ベヌエ州内での遊牧民の移動を禁止する新しい法律が発効されたことで年明けにかけて激化した。

 ナイジェリア中部では同様の報復的な襲撃事件が相次いでおり、宗教的、人種的な分裂が生じるなか、暴力に対する政府の対応不足が露呈している。

 ベヌエ州危機管理当局の責任者はAFPの電話取材に対し、現時点で80人の死亡が確認されたと明らかにした上で、「襲撃は収まっていない」と述べた。また、州内のグマ(Guma)地区とロゴ(Logo)地区の住民数千人が4か所のキャンプに避難しているという。

 衝突が続く中で住む場所を追われた人は現時点で8万人に上っており、別の州からベヌエ州に避難している人々もいるという。(c)AFP